気仙沼市の事業支援サービス

\事業承継を考える「シャカケン!」に栗山センター長が登壇しました!/

2024.12.11

気仙沼の社会問題を他地域の実践例も聞きながら考える「シャカケン!」。

気仙沼まち大学運営協議会の主催で、これまで月1回ずつ、空き家、交通をテーマに開催されてきたのですが、12月のテーマは「事業承継」。なんとも難しいテーマですが、気仙沼市からは日々事業者の相談にあたっている栗山センター長にお声がかかり、登壇してきました。

まずは、気仙沼商工会議所さんから、令和5年に実施した事業承継の調査結果を報告。

506件の回答のうち、「後継者が決まっていない」と回答したのは51.2%で、そのうち、候補者はいる(17.2%)、候補者はいないが事業を継承したい(8.1%)という回答がある一方、第三者への事業譲渡第三者への会社の譲渡(4.0%)や廃業(21.0%)を考えている人も2割以上いるという状況が報告されました。

こうした厳しい状況の中、代表の方がなくなると、地域内でそのサービスをする人がいなくなり、市外に需要が流れていくということが現実に起きてきているそうです。

次いで登壇した栗山センター長は、「このままでは子供に継がせられない」「あと2~3年が勝負だ」という声が日々相談者さんから寄せられている現状を報告。市内では低価格のものが喜ばれる傾向があり、事業者にとっては利益を出しづらいこと、人材が確保できないことなどが背景にあることをお伝えしました。

市内の事業者が減ると、まちとしての魅力が低減し、観光等の誘客も難しくなり、どんどん負のスパイラルが生まれていくという未来もあり得ることを指摘し、ビズでは、市外へ商品を売っていくこと、市外から人を呼び寄せることを念頭に相談にあたっていることを報告しました。

市外からのゲストは、全国規模で家業継承者のネットワークを作っているエヌエヌ生命保険株式会社の家業イノベーション・ラボ実行委員の片山あゆ美さんと、石川県能登地方の事業承継に地域をあげて取り組んでいる株式会社ノトツグ代表取締役の友田景さんのお二人。

片山さんは、家業を承継する人が、「既定路線にのって会社に戻ってきたと思われがちだが、今の時代に家業を継ぐ人は尊い。そのチャレンジを応援したい」と話しました。

友田さんは、後継者がいない能登の企業を自社でリスクを取って買い取り、経営改善や次世代の経営者の育成によって事業を次の時代につなぐことに取り組んでいることを紹介。「地域の中小・零細企業の事業承継ができなければ地方創生はうまくいかない」とし、地域に若い経営者を増やすことをミッションとして活動していると報告しました。

取り組むのが難しい事業承継ですが、先送りできない課題であることを再認識した回でした。

「シャカケン!」はYoutubeでも配信されていますので、ぜひご覧ください。